伊藤高德税理士事務所 > 相続 > 相続税は電子申告が可能!従来との違いやe-Taxを使った手続きのポイントについて
相続税についてはe-Taxを利用した電子申告も可能となっています。e-Taxを活用することにより申告手続きの利便性が向上し、従来と比べてより楽に、円滑に進められるようになるでしょう。
当記事では、相続税申告の基本的な方法と電子申告の利点、利用のポイントについて解説します。
一定以上の遺産を取得した方は、相続の開始があったことを知った日(通常は被相続人の死亡日)の翌日から10ヶ月以内に相続税の申告をすべき義務が課されます。
このとき、相続税の計算を行い、申告書に必要事項を記載し、納税地を所轄する税務署へと書面を提出するのが基本的な流れです。税務署の開庁時間は8時30分~17時までで、郵送や時間外収受箱への投函により提出することも可能ですが、直接窓口へ行ったり郵送の準備をしたりするのにも負担がかかります。また、申告書や添付書類など、多くの書類も発生します。
国税庁は、あらゆる税務手続きについて税務署に行かずに処理できる社会を目指しており、その一環でe-Taxの利用拡大にも取り組んでいます。そして現在、相続税に関しては電子申告が可能となっています。
電子申告が可能となればまず、「税務署へ出向く必要がなくなる」というメリットが得られます。申告書の提出から受付結果の確認まで、すべてオンラインで完結できます。
また、「申告書や添付書類をデータで保管できるため紛失の心配がなく、ペーパーレスで管理できる」というメリットも得られます。
さらには「メッセージボックスで受付結果を約5年間確認できるため後日の参照も容易」というメリットもありますし、「電子納税との組み合わせにより、申告から納税まで一連の手続きをキャッシュレスで完了できる」という点も大きなメリットです。
こうした数々のメリットがあることから電子申告の利用者は年々増加しており、令和3年には23.4%の利用率でしたが、令和6年には50.3%と3年間で倍以上の利用率にまで上昇しています。
参考:国税庁「 相続税e-Tax特設サイト」
電子申告の利用にあたっての重要なポイントを紹介します。利点も大きいですがいくつか準備しないといけないものもあります。
e-Taxを利用するためには、申告する相続人ごとに16桁の「利用者識別番号」が必要です。過去に所得税や贈与税などでe-Taxを利用したことがある場合は、その際取得した利用者識別番号を使用できます。
もし利用者識別番号を持っていない場合や番号が不明な場合は、「電子申告・納税等開始(変更等)届出書」を提出して取得しましょう。この手続きは、マイナンバーカードを使ってオンラインで行うほか、税務署への書面提出、または税理士による代理手続きでも可能です。
《 利用者識別番号の確認フロー 》
電子申告では、多くの添付書類をPDFファイルとして提出できます。
さらに2025年3月まではフルカラーでスキャン読み取りする必要があったところ、運用が改善され、現在では「グレースケール(白黒)」でも送信可能ということになっています。
ただし一部制限があり、あらゆる添付書類が電子送信できるわけではありません。一部の書類は別途提出が必要な場合がありますし、1度に送信できるデータ容量にも制限があります。
2025年5月からは、委任契約を交わして登録を行った税理士であれば、相続人のマイページから過去の贈与税の申告情報が参照できるようになりました。
贈与税と相続税は密接に関係しており、過去の贈与が相続税に影響を与えることがあるのです。そのため過去の贈与税についてオンラインで調べることができれば、正しい相続税額を効率的に計算できるようになるでしょう。
この仕組みが整備されたことで、税理士との情報共有が円滑になり、よりスムーズに申告作業を進められます。
電子申告後の受付結果が、e-Taxのメッセージボックスで確認できます。
※メッセージボックスへのアクセスは利用者識別番号とパスワードで可能だが、メッセージの詳細確認にはマイナンバーカード等による追加認証が必要。
PCやスマホ等で申告書の受付結果および提出内容をチェックできますし、受信通知は約5年間保存されるため、後日の確認にも便利です。
電子申告と合わせて活用したいのが、キャッシュレス納付です。ダイレクト納付、インターネットバンキング、クレジットカード納付、スマホアプリ納付など、複数の選択肢があります。
ダイレクト納付を利用する場合は、事前に「ダイレクト納付利用届出書」の提出が必要ですが、税理士が納税者に代わって手続きを行うことも可能です。これにより、税務署や金融機関の窓口に行くことなく、納税手続きを完了できます。